契約書というものは、締結されてしまうとそれに従って行動しなければなりません。
契約書は互いに信頼するために必要不可欠なものですが、必ずしもその中身が自身にとって有利になるものとは限りませんし、また不備も存在します。
このようなことはたいていの場合には、大きな問題にはならないものですが、相手が悪意を持っていたり、問題が発生したさいの責任の所在について齟齬が生まれ、その結果裁判で争うということにもなりかねず、そしてその不備は裁判に負ける原因となります。
このようなことを避けるために行われるのがリーガルチェックです。
リーガルチェックは、それが法的に妥当なものであるか、またそれによって及ぼすリスクについて確認することを指します。
基本的に行動する前に行うべきもので、これによって行動が自身にとって不利益にならないようにするのが目的です。
契約書は手続きの則って作成されたものは、法的に効力のあるものですから、そこに不利益になるようなことがあれば、当然ながら不利益に直結することになります。
また作成内容についても法律に則っているものか確認することは欠かせません。
事が起こらなければ問題にはならないことですが、事が起こってからその問題に気づいてもすでに手をくれですから、リーガルチェックは将来起こりうるリスクを避けるために行われるものです。
契約書といってもさまざまな種類がありますし、作成するさいには相手が作成したものに調印するだけといったケースもあります。
特殊な契約を除けば、ほとんどはテンプレートによって作成されたものですが、それでも問題が内包している可能性はゼロとはいえません。
このため、毎回同じものであってもその内容は必ずチェックすることは欠かせないものです。
またはじめて契約をする相手については、特に注意が必要不可欠なことと言えます。
リーガルチェックそのものは、自社でも行うことができますが、法律に精通している必要があります。
このため法務に強い部署を作らなければなりませんが、大企業でもなければ自社内に部署を作って対処するというのは現実的ではありませんし、コストもかかります。
このような時には、専門家に依頼するのが費用対効果でも優れるものです。
契約書のリーガルチェックの専門家としては弁護士と行政書士などがあり、チェックだけでなく契約書の作成なども行います。
また案件ごとにチェックするだけでなく、月々の定額料金でチェックするというプランもあり、このようなサービスを使えば法務部をアウトソーシングする形で用意することができるものです。
リーガルチェックで行われるポイントとしては、契約書の有効性を高めることや、自社にとって不利益になりそうな言い回しの指摘などがあります。
特に大きな契約になるほど問題があれば、大きな損失に繋がるリスクがあるのでチェックは欠かせません。
それと弁護士に依頼した場合には、日頃から付き合いをすることになるので、法的に問題が起こった時に依頼しやすいといったメリットもあります。
つまり、日頃から接点のない弁護士と接点を持つ機会としても有効なものです。
一方でリーガルチェックを行うデメリットは、コストが掛かることや、時間がかかることです。
コストとしては1件あたり3万円から10万円程度ですから、それなりの大きな契約である必要があります。
また契約を交わすまでに外部チェックを受けるということになるので、その分、時間がかかります。
もちろん、はやくチェックしてくれるところもありますが、急ぎの契約といった場合には向いていません。
このように契約規模が小さい場合には、コストと時間という面で釣り合いませんが、大きな契約になるほど、その効果は高くなります。
最終更新日 2025年4月22日 by hadair