「B型事業所」って結局なに?福祉を知らない私が現場で見たこと

「B型事業所」って結局なに?福祉を知らない私が現場で見たこと

「B型事業所って、結局なんなの?」

友人からこう聞かれたとき、私は一瞬言葉に詰まりました。

福祉を学んだはずなのに、説明しようとすると意外と難しい。

うまく言語化できないもどかしさを感じながら、私は考えました。「そもそも私自身、本当に理解できているのかな?」と。

大学で福祉を学び、一度は編集の仕事に就いた私が、再び福祉の現場に立ったのは2020年のこと。

コロナ禍で世界が変わりゆく中、B型事業所でのアルバイトは、私自身の「働く」についての価値観も大きく変えていきました。

今回は、福祉の専門用語を極力使わず、Z世代ライターの視点から見た、B型事業所の”リアル”をお伝えします。

現場で感じた人と人とのつながり、そして「支援」という言葉の向こう側にあるものを、私の体験を通してお話しします。

「B型事業所」ってなに?

福祉用語としての”B型”の定義

世の中には、さまざまな理由で一般企業での就労が難しい方がいます。

そんな方々が「働く場所」として利用できるのが、就労継続支援B型事業所(通称:B型事業所)なんです。

正式には「障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの一つ」という難しい位置づけですが、簡単に言えば「障害や難病などがある方が、自分のペースで働ける場所」です。

特徴的なのは、B型事業所と利用者の間には雇用契約を結ばないこと。

これにより、最低賃金の規定に縛られず、また働く時間や日数も柔軟に調整できるんです。

利用者は「生産活動」と呼ばれる作業を行い、その対価として「工賃」を受け取ります。

2023年のデータでは、B型事業所の平均工賃は月額約17,000円(時給換算で約240円)と、一般的な賃金と比べるとかなり低いのが現状です。

それでも、働く機会と経験を得られる場として、全国に15,000か所以上のB型事業所が存在しています。

A型との違いとは?

B型事業所についてよく聞かれるのが、「A型との違いは?」という質問。

「就労継続支援B型の大きなメリットの一つは、『障害による困りごとの状況や症状などに合わせて、無理のないペースで働くことができる』ということです」

これは多くの支援サイトで強調されるポイントです。

一方、就労継続支援A型では事業所と利用者の間に雇用契約を結び、最低賃金が保障されます。

つまり、もう少し「一般企業に近い働き方」と言えるでしょう。

対照的に、B型は契約に縛られず、自分のペースで働けるメリットがある反面、工賃は低くなるという特徴があります。

表にまとめると、こんな感じになります:

項目B型事業所A型事業所
雇用契約なしあり
給与形態工賃(最低賃金保障なし)賃金(最低賃金保障あり)
働き方非常に柔軟(体調に合わせて調整可)比較的固定的(一般就労に近い)
対象者一般就労が困難な方一定の支援があれば働ける方

制度と現場の”ズレ”に触れて

制度の説明を読むと、B型事業所は「一般就労が困難な方のための場所」と定義されています。

でも、現場に立ってみると、その言葉だけでは表せない多様な現実があります。

例えば、ある20代の利用者さんは、「将来は一般企業で働きたい」と話します。

また別の60代の利用者さんは、「ここが居場所だから」と穏やかな表情で作業に取り組んでいます。

同じB型事業所でも、人によって「ここにいる意味」は全く違うんです。

また、制度上は「一般就労への移行」が一つの目標として掲げられることもありますが、現場では必ずしもそれだけが目標ではありません。

「安定した居場所」「社会とのつながり」「生きがい」など、数字では測れない価値が確かにそこにあります。

制度の枠組みと現場の実態の間には、常に小さなズレがあります。

それを埋めるのが、支援員さんたちの日々の工夫や、利用者さん一人ひとりの声なのかもしれません。

B型事業所はそれぞれ独自の理念や特色を持っています。

例えば、「あん福祉会ってほかの障がい者の社会復帰施設と何か違うところはありますか?」というヤフー知恵袋の質問でも議論されているように、各施設には独自の取り組みや強みがあります。

東京都小金井市を拠点とするあん福祉会のような団体は、精神障がい者の自立支援に焦点を当て、「すべての人に開かれた場」という理念のもと活動しています。

このように、同じB型事業所でも運営主体や地域によって特色が異なり、多様な支援の形があることも現場の魅力の一つです。

現場に立って初めて見えたこと

スーツを脱いで作業着になった日

「今日から、よろしくお願いします」

緊張しながら初出勤した日、私はスーツではなく、動きやすいジーンズとTシャツで現場に立ちました。

出版社での編集の仕事を辞め、B型事業所のアルバイトとして働き始めた最初の日。

頭では「福祉の現場」と理解していても、実際に足を踏み入れるとその空気感に戸惑いました。

オフィスのような緊張感はなく、かといって完全にリラックスした雰囲気でもない。

みんなが自分のペースで黙々と作業をしていて、でも時々笑い声が聞こえる。

そんな不思議な空間に、私は少しずつ体を慣らしていきました。

最初の仕事は、利用者さんたちと一緒に企業から請け負った軽作業。

封入作業やシール貼り、時には農作業など、日によって内容は様々です。

作業を教えてくれる利用者さんの手つきは慣れていて、むしろ初心者の私が戸惑うことも。

「こっちの方が早いよ」と教えてもらいながら、私は徐々に「支援する側」と「される側」の境界線が思っていたよりもずっと曖昧なことに気づいていきました。

利用者さんとの最初の会話

「三浦さんは、なんでここで働いてるの?」

作業をしながら、ある利用者さんから投げかけられた質問。

私は少し考えてから、正直に答えました。

「福祉について学んだけど、実際の現場をもっと知りたくて。あと、自分の書く文章に現場の言葉を入れたくて」

すると彼は少し照れたように笑って、「じゃあ、オレの言葉も書いてよ」と言いました。

その何気ない一言が、私にとっては大きな一歩でした。

徐々に会話が増えていく中で、利用者さんたちの表情や言葉が少しずつ見えてくる。

A型事業所への憧れを語る人、家族の心配を話す人、趣味の話で目を輝かせる人…。

みんな「利用者さん」というくくりでは表せない、それぞれの人生と物語を持っていました。

一方で、私自身の立場についても考えさせられました。

支援者でもない、かといって利用者でもない。

そんな中間的な存在の私に、みんなは徐々に色々な話をしてくれるようになりました。

「三浦さんは編集者だったんでしょ?この原稿見てくれない?」と、自分の書いた詩を見せてくれる人も。

そうして自然と生まれる関係性の中に、「支援」という言葉だけでは表せない豊かさがありました。

「仕事」ってなんだ?と立ち止まった瞬間

B型事業所で数ヶ月働いたある日、私は大きな疑問にぶつかりました。

「これって、”仕事”なのかな?」

利用者さんたちが取り組む作業は、一般企業の基準で見れば「生産性が低い」と評価されるかもしれません。

でも、真剣に取り組む姿勢や、作業が終わったときの達成感は、どんな仕事にも負けていない。

一方で、工賃は平均で月に約17,000円。

生活を支えるには十分ではなく、多くの方が障害年金や生活保護などと組み合わせて暮らしています。

「働く」ことの価値は、お金だけで測れるものなのか?

私は出版社で働いていたとき、常に「締め切り」に追われていました。

締め切りを守ることが「仕事」の評価につながると思っていたんです。

でも、B型事業所では違いました。

1. その人のペースを尊重する
2. できることを見つける
3. 小さな成長を喜ぶ

これらの価値観は、私がそれまでの職場で経験したものとは全く異なっていました。

仕事の進み具合よりも「今日はどう?」という問いかけが優先される。

疲れていれば「休んでもいいよ」と言われる。

そんな環境は、私の「仕事」という概念を根本から揺るがしました。

人と人の間にあるもの

支援員と利用者、その不思議な距離感

B型事業所で興味深かったのは、支援員と利用者の関係性です。

それは「先生と生徒」でも「上司と部下」でもない、独特の距離感がありました。

ある支援員さんはこう話していました。

「私たちは支援者であり、時に友人のような、時に仕事のパートナーのような関係になります。でも、どんなときも対等であることを忘れないようにしています」

この「対等」という言葉が印象的でした。

福祉の現場では、ついつい「支援する側」が上の立場になりがちです。

でも、実際に現場で見ていると、支援員さんたちは常に利用者さんから学び、時に頼り、一緒に考えている。

例えば、ある日の作業中、若い支援員さんが作業の効率的なやり方を提案しました。

すると長年通っている利用者さんが「それだと疲れるよ。こうすると楽だよ」と別の方法を教えてくれたのです。

支援員さんはすぐにその意見を取り入れ、「さすが!ありがとうございます」と素直に感謝していました。

こうした場面を何度も目にするうちに、支援と被支援という一方通行ではなく、お互いに影響し合う双方向の関係性があることを実感しました。

「就労継続支援B型事業所での仕事は、利用者一人ひとりの個性を把握していくことが求められます。」

支援員さんたちは常に利用者さんの「その日の調子」を気にかけ、体調や気分に合わせて作業内容を調整していました。

時に冗談を言い合い、時に真剣な話をする。

そんな日常の中で培われる信頼関係が、B型事業所という場を支えているように感じました。

「できる・できない」じゃ測れない関係

B型事業所の中で特に印象的だったのは、「できる・できない」という評価軸がほとんど意味をなさないことでした。

一般企業では「できること」が評価されますが、ここでは違います。

たとえば、ある利用者さんは細かい作業が得意でしたが、人とのコミュニケーションに苦手意識がありました。

別の方は、読み書きは苦手でも、周囲の雰囲気を明るくする天性の明るさを持っていました。

そうした個性を「できない」と評価するのではなく、「その人らしさ」として受け入れる文化があります。

私が驚いたのは、支援員さんたちが「できるようになること」だけを目標にしていないことでした。

もちろん、スキルアップのサポートもしています。

でも、それと同じくらい「今のままでいい」と認める姿勢も大切にしているんです。

これは言葉で説明するのは難しいのですが、現場に立つとひしひしと伝わってくる価値観でした。

「今日はここまでできたね」とその日の小さな成果を一緒に喜ぶ。

それは「できる・できない」の二元論ではなく、その人がその日をどう過ごしたかを大切にする視点です。

利用者から学んだ、”存在を認める”ということ

B型事業所で過ごす中で、私が最も大きく価値観を変えられたのは「存在を認める」ということの意味でした。

これまで私は無意識のうちに、人を「何ができるか」で評価していたように思います。

でも、ある利用者さんとの会話がその考えを変えました。

彼は知的障害があり、作業のスピードはゆっくりめ。

でも、自分の作業に対する誇りを持っていて、「自分の仕事は大切」と何度も言っていました。

ある日、私が「もっと早くできるといいですね」と言ったとき、彼はこう答えたのです。

「早くできなくてもいいんだよ。ちゃんとやれば。俺はここでちゃんと仕事してるんだ」

その言葉に、私は深く考えさせられました。

「早くできる」「たくさんできる」ことが評価される社会で、「ちゃんとやる」という彼の価値観は、とても新鮮でした。

彼は自分の存在価値を、生産性や効率ではなく「ここにいること」自体に見出していたのです。

そして、周囲の支援員さんたちも彼のそうした在り方を否定することなく、その「ちゃんとやる」姿勢を尊重していました。

この経験から、私は「認められる」ということの本質が、単なる評価や称賛ではなく、その人の存在そのものを受け入れることなのだと学びました。

それは言葉で説明するよりも、日々の関わりの中で自然と伝わってくるものでした。

「働く」って、ほんとはなんだろう

スキルではなく、日々の積み重ね

B型事業所で過ごす中で、「働く」という言葉の意味を考え直す機会が何度もありました。

一般的に「働く」というと、スキルを活かして成果を出すことだと思いがちです。

でも、B型事業所での「働く」は少し違いました。

それは日々の小さな積み重ね。

毎日決まった時間に来て、挨拶をして、自分の作業に取り組む。

それだけのことが、ある人にとっては大きな一歩だったりします。

ある50代の利用者さんは、精神疾患で長く引きこもり生活を送っていましたが、B型事業所に通い始めて3年が経ちました。

彼女はこう話してくれました。

「最初は週に1回、2時間だけ来るのがやっとだったの。でも今は週3日、午前中いっぱい作業できるようになったわ。これが私の自慢なの」

その言葉には、一般的な「成功」の物語とは違う、でも確かな成長の実感がありました。

「スキルアップ」や「キャリアアップ」といった言葉では測れない、でも間違いなく価値のある一歩一歩。

それがB型事業所における「働く」の一つの形なのだと思います。

“成長”よりも”大丈夫”が先にくる場所

企業では、常に「成長」が求められます。

スキルを磨き、実績を上げ、キャリアを積む。

そんな上昇志向の環境に慣れていた私にとって、B型事業所の価値観は新鮮でした。

ここでは「大丈夫だよ」という言葉が、「頑張れ」より先に来るのです。

1. 調子が悪い日は無理しなくていい
2. できなくても責められない
3. そのままの自分が受け入れられる

こうした環境は、競争社会では「甘え」と言われるかもしれません。

でも、ここで見た光景は「甘え」なんかではなく、人として当たり前の尊厳が守られている状態だと感じました。

ある日、利用者さんの一人が気分の落ち込みで作業が進まず、支援員さんのところへ行きました。

私は「叱られるかな」と思っていたのですが、支援員さんは「今日は休憩室でゆっくりしていいよ。無理しないで」と優しく言ったのです。

その後、彼はしばらく休憩室で過ごし、午後からは少しだけ作業に参加しました。

これが「大丈夫」が先にくるということ。

人が働くうえで、心身の状態を第一に考える環境があることの大切さを、私はこの場面から学びました。

「働く幸せ」を問い直す視点

「働く幸せ」とは何でしょうか?

高い給料?やりがい?社会的な評価?

B型事業所で出会った人々は、私にその問いを投げかけてきます。

月に1万円ほどの工賃でも、「今日も良い仕事ができた」と笑顔で帰る利用者さん。

周囲と比べることなく、自分のペースで黙々と作業を続ける方。

彼らの「働く幸せ」は、私がこれまで考えていたものとは少し違ったのです。

「就労継続支援B型事業所では、自分らしく居られやすくなります。調子の良いときは事業所でできる仕事に取り組んだり、あまり気分が乗らないときは働かずに読書をしたり好きなことに取り組むこともできます」

このような自由度の高さは、一般企業ではなかなか実現できません。

でも、「働く」ことの本質を考えるとき、果たして生産性や効率だけが大切なのでしょうか?

ある支援員さんはこう語っていました。

「働くことは生きることの一部。でも全部じゃない。ここでは『働けない』と思っていた人が、自分なりの『働き方』を見つけていきます」

この言葉に、私は深く共感しました。

「B型事業所」という場は、「働く」という概念そのものを問い直す場所なのかもしれません。

一律の基準ではなく、一人ひとりの状況や特性に合わせた「働き方」があっていい。

そんな当たり前のようで、現代社会では見落とされがちな視点を、この場所は教えてくれます。

現場の声をすくい上げるということ

インタビューで見つけた小さな希望

私がB型事業所で働くようになって感じたのは、「現場の声」の重要性でした。

制度や統計では見えないものが、実際の現場には溢れています。

ある日、私は利用者さんたちにインタビューする機会をもらいました。

テーマは「あなたにとってB型事業所とは?」という単純な問いかけ。

でも、返ってきた答えは一人ひとり全く違っていました。

「家と病院以外に行ける場所」
「友達ができる場所」
「自分の居場所」
「将来の一般就労に向けてのステップ」

こうした多様な声は、B型事業所という場所が持つ多面的な役割を表していると感じました。

特に印象的だったのは、30代の女性の言葉です。

「ここに来るようになって、初めて『自分にもできることがある』と思えた。それが一番の希望です」

彼女の言葉には、数字や制度では測れない「小さな希望」が込められていました。

これこそが現場の声をすくい上げる意味なのだと、私は強く感じたのです。

ノートではなく、スマホに刻む言葉たち

B型事業所で働くようになって、私の取材スタイルも変わりました。

以前は「きちんとした」取材ノートを用意し、整理された質問をしていました。

でも、そんな形式ばった取材では、現場の自然な声は拾えません。

そこで私が始めたのは、スマホのメモ機能に、聞こえてきた言葉をそのまま書き留めること。

これは意識的な選択でした。

「福祉の現場」という堅苦しいレンズを通してではなく、日常の中での何気ない会話や表情を、できるだけそのまま記録したかったのです。

例えば、ある日の休憩時間。

ある利用者さんが「昨日、スーパーで店員さんに『ありがとう』って言われたんだ」と嬉しそうに話していました。

一見些細なエピソードですが、彼の表情は誇らしげで、その「ありがとう」という言葉がどれだけ彼の自己肯定感を高めたかが伝わってきました。

そんな瞬間を、私はスマホにただ書き留めます。

「ありがとう」って言われて嬉しかったんだって。目がキラキラしてた。彼にとっての小さな成功体験。こういうのが積み重なるんだろうな。

整理されていない、でも生の声が詰まったメモたち。

それが後々、私の原稿の「芯」になっていくのです。

文章にすることで、誰かの一歩が見える

B型事業所での経験を文章にすることは、私にとって大きな責任を感じる作業です。

「福祉」という言葉が持つ固いイメージと、実際に現場で感じる生き生きとした雰囲気。

その両方を伝えることができれば、と思っています。

例えば、私がnoteに書いた「B型事業所の一日」という記事では、こんな言葉で締めくくりました。

「毎日の小さな一歩は、誰かには見えないかもしれない。でも、確かにその一歩を踏み出している人がいる。その事実だけでも、もっと知られていいはずだ」

この記事に対して、「うちの息子もB型事業所に通っているけど、こんな風に見てもらえるなんて嬉しい」というコメントをいただいたことがあります。

文章を通じて、現場の声が少しでも広がっていくこと。

それが私の小さな目標です。

大げさなことは言えません。

私の文章が世の中を変えるわけでもないでしょう。

でも、誰かの目に留まって、「B型事業所ってこんな場所なんだ」と理解してもらえるなら。

あるいは、B型事業所を利用している誰かや、その家族が「自分たちのことを見てくれている人がいる」と感じてもらえるなら。

それは私にとって、この仕事の大きな意味になります。

まとめ

「B型事業所」という言葉から、あなたは何を想像するでしょうか?

私が現場に立つ前は、正直なところ「障害のある人が通う福祉施設」という曖昧なイメージしかありませんでした。

でも、実際に足を踏み入れてみると、そこには多様な人生と物語が交差する、豊かな「場」がありました。

一般企業での働き方とは違う価値観、「できる・できない」では測れない関係性、そして何より「その人らしさ」を大切にする文化。

B型事業所とは、制度上は「就労継続支援B型事業所」という福祉サービスですが、実際には多くの人にとっての「居場所」であり「社会とのつながり」の場でもあります。

私は、この経験を通じて「働く」ということの本質について、改めて考えさせられました。

それは必ずしも高い生産性や効率だけを意味するのではなく、その人がその人らしく社会と関わる方法の一つなのではないでしょうか。

「福祉」という言葉がどこか遠い世界のことのように感じられる時代だからこそ、もっと身近な言葉で、現場の声を伝えていく必要があると思います。

これからも私は、B型事業所をはじめとする福祉の現場に寄り添いながら、そこで出会う人々の物語を言葉にしていきたいと思います。

一人ひとりの小さな一歩が見える社会になることを願って。

最終更新日 2025年4月22日 by hadair